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【産業動向】先進封止の生産能力拡大、2027年下半期から成長鈍化 群智諮詢レポート
2026-05-21 10:33:09
調査会社Sigmaintell(群智諮詢)は2026年5月18日、先進封止(パッケージ)の中でも2.5D・3Dパッケージ分野についてのレポートを発表。世界における先進封止の市場規模(生産額ベース)が2026年、前年比97%増の587億米ドルに達すると予想した。一方で、2027年下半期に入ると、生産能力は均衡状態になり、比較的緩やかな成長サイクルへ移行するとの見通しを示した。


レポートでSigmaintellは、2022〜26年にかけて、世界の先進封止市場は継続的な供給不足の状態にあると指摘。2025年の生産能力需要は単月14万6000枚(12インチウェハ換算)に達し、需給ギャップは約23%に拡大、大量の発注が1年以上の受注残を抱えているとし、こうした状況を受け、ファウンドリやOSAT(半導体封止・測定受託)大手各社が積極的な設備投資を進めているとした。

Sigmaintellは、2025〜30年にかけての世界における先進封止生産能力の年平均成長率(CAGR)は41%、特に2025〜27年には77%に達すると予想。ただ、2027年下半期には需給バランスが徐々に改善し、その後は比較的安定した成長局面へ移行すると見込んだ。

レポートには、ファウンドリ最大手の台湾TSMC(台積電)について、先進封止技術を定義するリーダーとして、2025年には世界の生産能力全体の58%を占めていたと指摘。前工程(ウェハー製造)のファウンドリ技術と、後工程(パッケージ)を一体化した運営体制を強みとしており、高い競争優位性を確立していると評した。その上で、先進封止向け新工場建設を進める一方、成熟プロセス向けリソースを先進封止へ振り向けており、生産能力は26年、前年比84%増加すると予想した。

また、台湾ASE Technology Holding(日月光投資控股)や米アムコア(Amkor)等のOSAT大手について、積極投資を加速していると指摘。ASE Technologyの2026年設備投資額は70億米ドルと過去最高を更新する見込みで、先進封止関連売上げは前年から倍増が期待されるとした。

さらにレポートは、中国勢の動きも活発化しているとし、OSAT中国最大手のJCET(長電科技)がNAND型フラッシュメモリ(NANDフラッシュ)大手の中国YMTC(長江存儲)や中国ファーウェイ(Huawei=華為)傘下でIC設計のHiSilicon(海思)との提携を強化していると指摘。Tongfu Microelectronics(通富微電)は、米AMD関連工場への出資を通じて関係を深めているとした。この他、TSHT(天水華天)、Payton(沛頓科技)、HiTech Semi(海太半導体)も、AI(人工知能)半導体やHBM(高帯域幅メモリ)関連需要を追い風に存在感を高めつつあるとした。

Sigmaintellは、先進封止市場の急成長は、ディスプレイメーカーにも波及していると指摘。FOPLP(Fan-Out Panel Level Packaging)は、コストとパッケージ効率の面での優位性から、低コストのソリューションとして2.5Dパッケージの主流技術の一翼を担うことが期待されており、多くのメーカーから注目を集めているとした。TSMC、韓国サムスン電子(Samsung Electronics)、米インテル(Intel)、ASE等が開発を進める中、アジア系液晶パネルメーカーの参入も相次いでいると紹介した。

具体例として、台湾INNOLUX(群創)が既にFOPLP量産を開始し、スイスSTマイクロエレクトロニクス(STMicroelectronics)や蘭NXPセミコンダクターズ(NXP Semiconductors)との協業を進めている他、米スペースX(SpaceX)向けRFチップ封止も手掛けているとした。

中国勢ではBOE(京東方)やTCL CSOT(華星光電)、TIANMA(天馬微電子)等が投資を拡大しているとし、BOEとVisionox(維信諾)がガラス基板パッケージ分野への参入を検討しているとした。

韓国勢ではサムスンディスプレイ(Samsung Display)とLGディスプレイ(LG Display=LGD)が、AIアクセラレーター向け高密度実装で需要拡大が見込まれるのを受け、ガラスインターポーザー技術に注力していると紹介した。

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